介護支援専門員受験対策講座(3)

けあさぽりんく受験対策講座(3)

さて、前回の模擬問題から見ましょう。

模擬問題3 介護サービス情報の公表について正しいものはどれか。2つ選べ。
1 市町村は、地域包括支援センターに関する情報を公表するよう努めなければならない。2 市町村は、介護サービス情報公表センターを指定することができる。
3 介護保険外のサービスは介護サービス情報の公表の対象外である。
4 公表すべき運営情報には、身体拘束を廃止する取り組みの有無は含まれない。
5 2つ以上のサービスを一体的に運営している場合は、共通しているサービスの報告については一体的に報告することができる。

答えは1・5です。2の選択肢は都道府県の役割です。3の選択肢ですが、市町村は生活支援事業者から提供を受けた介護保険外のサービスの情報も公表するよう努めることとなりました。4の選択肢は、「利用者の権利擁護のために講じている措置として公表される項目に入っています。

模擬問題4 介護保険法において都道府県の条例で定めるものはどれか。3つ選べ。
1 介護支援専門員実務研修受講試験問題の作成手数料
2 介護保険審査会の公益代表委員の定数
3 基準該当居宅サービスの運営に関する基準
4 指定介護予防支援の運営に関する基準
5 介護認定審査会の委員の定数

答えは1・2・3です。これは消去法で4と5が違いますね。4と5は市町村の役目です。試験では、毎回、市町村の役割と都道府県の役割を聞く問題が多いので、役割をきちんと押さえておくことです。

模擬問題5 介護予防・日常生活支援総合事業の事業として正しいものはどれか。3つ選べ。
1 第1号通所事業
2 生活支援コーディネーターの配置
3 介護予防ケアマネジメント
4 在宅医療・介護連携推進
5 地域介護予防活動支援

地域支援事業の内容は必ず試験にでます。また、ちょっと複雑であることと、介護支援専門員の基本的な知識として覚えておかないとならないところです。答えは1・3・5です。選択肢1の第1号通所事業は、要支援者等のデイサービスが予防給付から移行した内容です。選択肢2の生活支援コーディネータの配置と選択肢4の在宅医療・介護連携推進は、地域支援事業の中の包括的支援事業に分類されます。選択3の介護予防ケアマネジメントはちょっと複雑で、従来の要支援者が訪問看護とか福祉用具とかを利用する予防給付の場合の介護予防ケアマネジメントは包括的支援事業に入ります。一方、総合事業のみを利用する場合(要支援者等が総合事業の訪問介護とか通所介護を利用する場合)の介護予防ケアマネジメントは介護予防・日常生活支援総合事業になります。紛らわしいので、出題される場合は「介護予防・日常生活支援総合事業の事業として正しいものは」→「介護予防ケアマネジメント(第1号介護予防支援事業)」というように注が付くでしょう。

さて、昨年度の問題です。

問題11 介護保険に関する市町村の事務として正しいものはどれか。3つ選べ。
1 保険事業勘定及び介護サービス事業勘定の管理
2 指定情報公表センターの指定
3 財政安定化基金提出金の納付
4 保険料滞納者に対する保険給付の支払いの一時差止め
5 医療保険者からの介護給付費・地域支援事業支援納付金の徴収

これは消去法で、選択肢2は都道府県の事務、選択肢5は支払基金の事務ですね。わかりやすい問題でした。答えは、1,3,4です。

問題12 介護保険給付が優先するものについて正しいものはどれか。2つ選べ。
1 障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律による自立支援給付
2 証人等の被害についての給付に関する法律による介護給付
3 健康保健法による療養の給付
4 労働者災害補償保険法による療養補償給付
5 戦傷病者特別援護法による療養の給付

これも消去法で考えましょう。まず、選択肢4、5は労災や国家賠償的なものなので、皆が支払う介護保険料でみるのは変ですよね。同様に2の証人被害給付法も国家賠償的なものと考えれば違うと言うことになります。ただ、証人被害給付法は長らく実績がないらしい法律だそうで、まあ、こんなものをよく出すなあと。これでいえば、災害救助法、消防法、水防法、警察や海上保安官の職に協力した者の災害給付法、学校医等の公務災害補償法、災害対策基本法などたくさん該当する法律がある。答えは1,3です。

問題13 介護保険制度の利用者負担について正しいものはどれか。2つ選べ。
1 介護給付は、1割負担である
2 高額介護サービス費は、世帯単位で算定する。
3 短期入所系サービスの滞在費は、1割負担である
4 食費は、社会福祉法人による利用者負担額軽減制度の対象となる。
5 地域支援事業の第一号訪問事業については、利用料を請求できない。

これは比較的易問でした。利用料が高額所得者の場合2割に上がったのは、受験生で知らない人はいないでしょう。だから選択肢1と3は×です。また、選択肢5は総合事業の訪問介護相当とか訪問Aとかは料金が発生しますから×です。答えは2,4です。

問題14 包括的支援事業の事業として正しいものはどれか。3つ選べ。
1 地域包括ケアシステム活動支援
2 在宅医療・介護連携支援
3 地域介護予防活動支援
4 認知症総合支援
5 生活支援体制整備

ここは必ず出題されるところ、地域支援事業には1)介護予防日常生活支援総合事業、2)包括的支援事業、3)その他があり、包括的支援事業は①介護予防ケアマネジメント(第1号介護予防支援事業(居宅要支援被保険者にかかるものを除く))、②総合相談支援業務、③権利擁護業務、④包括的・継続的ケアマネジメント支援業務、⑤在宅医療・介護連携推進事業、⑥生活支援体制整備事業、⑦認知症総合支援事業の7つがありうち①~④は地域包括支援センターの事業です。これは覚えておかないと正答できないところです。間違いの選択肢もいかにもという感じですから。答えは、2,4,5です。

問題15 社会保険診療報酬支払基金の介護保険関係業務として正しいものはどれか。3つ選べ。
1 苦情処理の業務
2 医療保険者に対する報告徴収
3 第三者行為求償事務
4 介護給付費交付金の交付
5 地域支援事業支援交付金の交付

 支払基金の業務は、主に医療保険者に介護給付費納付金と地域支援事業支援納付金を納付させ、それを交付金として市町村に交付するものですから選択肢4と5は〇で、2も業務の一環です。1と3が国保連の行目であることからも正答はわかりやすいと思います。答えは、2,4,5です。

問題16 要介護認定について正しいものはどれか。3つ選べ。
1 要介護認定基準時間には、徘徊に対する探索が含まれる。
2 要介護認定等基準時間には、輸液の管理が含まれる。
3 市町村は、新規認定審査を指定町村事務受託法人に委託できる・
4 要介護認定は、申請者の家庭での介護時間を計測して行う。
5 家庭裁判所には、申請権がある。

 要介護認定は毎年3~4題出題されます。覚えることがそれほど多くないので、点数の取りやすいところです。昨年は、要介護認定基準時間や、認定調査の内容、医師の意見書の内容が出題されました。細かいところですが覚えておきましょう。
 基準時間は・介助等にかかる5つの分野、①直接生活介助(入浴、排泄、食事等の介護)、②間接生活介助(洗濯、掃除等の家事援助等)、③認知症の行動・心理症状関連行為(徘徊に対する探索、不潔な行為に対する後始末等)、④機能訓練関連行為(歩行訓練、日常生活訓練等の機能訓練)、⑤医療関連行為(輸液の管理、褥瘡の処置等の診療の補助等)に区分された行為についての要介護認定等基準時間により判定されます。だから選択肢1と2は〇、選択肢3も〇です。新規認定ができるのは市町村と市町村事務受託法人だけです。なお、市町村事務受託法人は都道府県が指定します。
要介護認定等基準時間は当該被保険者に対して行われる5分野の行為に要する1日あたりの時間としての推計であり、実際に家庭等で行われる介護時間そのものではなく、あくまでも介護の必要性を判断するための尺度として一定の方法により推計された客観的な基準ですから、選択肢4は×、選択肢5で家裁が出たのにはびっくりですが、冷静に考えて全く関係ないとわかるでしょう。答えは1,2,3です。

問題17 要介護認定における認定調査票の基本調査項目として正しいものはどれか。3つ選べ。
1 精神・行動障害に関連する項目
2 身体機能・起居動作に関連する項目
3 サービスの利用状況に関連する項目
4 特別な医療に関連する項目
5 主たる介護者に関連する項目

細かいところだけど覚えておきましょう。基本調査には、サービスの利用とか介護者の存在とか(一人暮らしであるとか)一切入ってきません。あくまで本人の介護の手間のみ調査する項目となっています。基本調査項目は、大きく7の中間評価項目に分かれており、①身体機能・起居動作に関連する項目、②生活機能に関連する項目、③認知機能に関連する項目、④精神・行動障害に関連する項目、⑤社会生活への適応に関連する項目、⑥特別な医療に関連する項目、⑦日常生活自立度に関連する項目、となっています。答えは、1,2,4です。

問題18 要介護認定における主治医意見書の項目として正しいものはどれか。3つ選べ。
1 認知症初期集中支援チームとの連携に関する意見
2 心身の状態に関する意見
3 社会生活への適応に関する意見
4 傷病に関する意見
5 生活機能とサービスに関する意見

これはやや難しい問題でした。主治医の意見書の内容は、基本情報の他に①傷病に関する意見、②特別な医療、③心身の状態に関する意見、④生活機能とサービスに関する意見、⑤その他特記事項を記載しますので、答えは2,4,5ですが、選択肢3は認定調査の基本調査項目であり、紛らわしいところです。

模擬試験問題を作成しましたので挑戦してみてください。

問題1 介護保険法と他の法による給付との調整に関する次の記述のうち、最も適切なものを1つ選びなさい。
1 65才以上の人が業務上の事由で要介護状態となった場合は、介護保険の給付が労災保険の給付に優先する。
2 第三者が起こした交通事故が原因で要介護状態となった場合は、自賠責保険等による損害賠償で対応できる範囲については、市町村は介護保険給付を行う責任を免れる。
3 障害者総合支援法による自立支援給付で居宅介護を利用していた障害者が65才になった場合、引き続き自立支援給付を優先して受けられる。
4 末期がんの要介護者は、特別訪問看護指示書などの要件を満たせば、介護保険給付で週4日以上の訪問看護を受けることができる。
5 特別養護老人ホームは介護保険法で契約による入所の施設となったので、老人福祉法に基づく市町村による措置で入所することはできない。

問題2 介護保険制度の事業者運営に関する次の記述のうち、最も適切なものを1つ選びなさい。
1 訪問看護の管理者は、保健師、看護師、理学療法士、作業療法士、言語聴覚士のいずれかの資格を有していなければならない。
2 社会福祉士の資格を有する者は、福祉用具貸与事業所の福祉用具専門相談員となることができる。
3 通所介護で宿泊サービスを行うことは認められていない。
4 介護支援専門員が居宅サービス計画に通所リハビリテーションを位置づける場合、特定の事業所に7割以上集中させると、居宅介護支援の介護報酬が減算となる。
5 地域密着型サービスの外部評価は、認知症対応型共同生活介護事業所と小規模多機能型居宅介護事業所、地域密着型特定施設入居者生活介護事業所を対象としている。

問題3 介護保険制度における低所得者対策に関する次の記述のうち、最も適切なものを2つ選びなさい。
1 介護保険制度では、利用者のための低所得者対策はあるが、被保険者のための低所得者対策はない。
2 高額介護(介護予防)サービス費は、福祉用具購入費にも適用される。
3 特定入所者介護サービス費は、市町村民税世帯非課税等の利用者を対象としているが、入所者が世帯非課税であっても単身で1,000万円超の預貯金等を保有している場合には、対象外となる。
4 高額医療合算介護(介護予防)サービス費は、介護と医療それぞれの負担が重い世帯のために、介護・医療の世帯負担額に年単位で上限を設けて負担軽減を図る制度である。
5 社会福祉法人等による利用者負担軽減制度を利用すると、社会福祉法人が提供するすべての介護保険サービスについて、利用料が4分の1軽減される。

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